ある高齢者(身体障害者)の海外旅行体験
高齢者の方々、また身体障害者の方も、深く考えすぎずに、気楽に旅行に出かけてみましょう。
「バリアフリー」は現代社会の中で世界的な動きになっている

「自分はもう75歳だし、足も不自由だから海外旅行なんてとても無理」「食事制限が心配で、外食が続くうえ、何が出されるか分からない海外旅行なんて………」などと思っている方はいらっしゃいませんか?
こういう方は、旅行前は相当不安に思うかもしれませんが、実際旅行を終えれば「何だ、こんなことなら、来年もまた旅行したい」という声に変わる場合が多いのです。
筆者は実際に海外で現地ガイドをし、数多くの事情を抱えたお客様をご案内差し上げた経験から、ある高齢者の旅行者の方の体験談をお話してみます。
A様は70歳の女性。旦那様は73歳。娘、娘夫婦と孫、合計8人で某国への8泊9日の旅行、車一台をチャーターしての個人旅行を計画されていました。
A様は足が悪く、自宅でも普通に生活できない状態だったのですが、ご出発の8日前に、自宅の2階の階段から滑り落ち、さらに足の状態が悪化、杖や車椅子を使用しなければ歩けない状態になり、残念だけど自分は旅行をキャンセルしようと、お電話でご相談下さいました。
ですが、身体障害者が航空機で無料で利用できるサービスの利用の仕方や内容、また、現地でのフォロー等をご説明差し上げたら、「それなら思い切って……」ということでご出発なさいました。
ご旅行中は、さすがに健康な人手さえも体力的に過酷な観光地ではホテルでお留守番をなさって、マッサージをお受けいただくというようなケースもありましたが、現地ガイドや専用車のドライバーの協力で、その他のことは全て他のご家族様と一緒に楽しまれました。また、旅行の楽しみの一つとなるホテル滞在時も、外出時は常にホテルの係員が車椅子を用意し、特別ケアーをして下さったのです。
結果、「思い切って来てよかった」と大満足のうちにご帰国なさいました。
B様は72歳男性、重度の糖尿病患者。インシュリンの注射はもちろん、食事制限も厳しく、また、目に障害が出ていて、夕刻になると目が見えなくなるという症状をお持ちでした。
ご友人4名様とのご旅行で、ご出発前は日本でお留守番をする奥様は心配で心配で仕方ないという状態でしたが、こちらも航空機で無料で利用できる食事のサービスや、現地でのフォローをご説明差し上げた後、思い切って出発、結果はA様と同じでした。
航空機の中はもちろん、各宿泊施設のレストランでも、その都度ご病状に沿った食事を用意してくれたのです。
A様、B様、二人に共通する旅行成功の理由は何か、それは、旅行事前に旅行会社に自分の身体的な悩みをはっきりと打ち明け、万事承知の上で準備を整えてもらったあと出発なさったということです。
高齢者や身体障害者の方々のためのサービスの充実は今や日本に限ったことではなく、世界中に広がっています。特に外国に出かけるためには必然的に飛行機に乗らなければいけないのですから、各航空会社では常にサービスの充実化、よりホスピタリティのある対応を図っています。
また、格安パッケージツアーなどでも、同日参加者が多い場合でも、それぞれのグループのみを個別の車で案内する「個人旅行」スタイルなどを取っているところも数多くあるので、そういうサービスを抜け目なく利用するためにも、旅行事前から依頼先の旅行会社の担当者の人と円滑に連絡を取ることをお勧めします。
高齢者の方々、また、身体障害者の方も、「バリアフリー」は現代社会の中で世界的な動きになっているという現実を知った上で、深く考えすぎずに、気楽に旅行に出かけてみましょう。